今年のインテリアトレンドは何?ミラノサローネ2025
毎年4月に開催されるミラノで行われるデザインの祭典ミラノサローネ。
今年は4月8日~13日まで行われました。
インテリアデザインの最先端から、日本のインテリアに取り入れやすい情報をお伝えいたします。
目次
世界最大のインテリアイベントをご存じですか?
世界中のデザイナーや建築家、インテリアに関連する企業が注目するインテリアの祭典「ミラノサローネ」。2025年もイタリア・ミラノで盛大に開催され、私たちKAMIYAも現地を訪れ、最新のインテリアや家具を始め、照明などを視察してきました。
このブログでは、「今年はどんなインテリアが注目されていた?」「どんな色や素材が流行っていた?」など、皆さんが気になるインテリアの最新情報を中心にお伝えいたします。
ミラノサローネとは?
世界が注目するインテリアの祭典
正式名称は「サローネ・デル・モービレ・ミラノ」。毎年4月、イタリア・ミラノで開催される世界最大級の家具見本市です。出展者は約2,000社、来場者は約30万人以上。インテリアや建築、照明、ライフスタイルに関する最先端の提案が集まります。
ミラノデザインウィークとは?
ミラノデザインウィークは、ミラノサローネの展示会場である「ローフィエラ(Rho Fiera)」と、サローネの外で開催される「フォーリサローネ(Fuorisalone)」という、大きく2つで構成される、世界最大級のインテリアとデザインの祭典で、4月のとある1WEEKで開催され、この時期をミラノデザインウィークと呼ばれています。
ローフィエラとフォーリサローネの特徴
■ローフィエラ(Rho Fiera)とは?
ミラノ中央駅から地下鉄で約20分の場所にある、広大な展示会場です。
ここでは、国際家具見本市「サローネ・デル・モービレ」が開催されており、日本では「ミラノサローネ」の名で知られています。
世界中の家具ブランドが出展し、日本の展示会では見られないほどスケールの大きなブースで展開され、空間ごと演出された中で、最新の製品やブランドコンセプトを発表しています。
■フォーリサローネ(Fuorisalone)とは?
ミラノ市内の街中各所で行われる、分散型の展示イベントです。
ブレラ地区やトルトーナ地区を中心に、各ブランドが自社ショールームや特設スペースを構え、独自の世界観を表現します。
デザインスタジオやファッションブランド、大学なども参加し、ギャラリーやショップの一角が展示スペースとなるなど、ミラノの街全体が『デザインの舞台』に変わります。コロナ禍以降は、ブランドがローフィエラではなく自社ショールームでの発表を選ぶケースが増え、年々フォーリサローネの方がより活気づいている印象です。
2024年との違いは?
毎年ローフィエラの展示会場では家具の展示会以外に、「キッチン(ユーロクッチーナ)」と「照明(ユーロルーチェ)」の展示会が隔年で同時開催されます。2025年は「照明」の年。インテリア、アウトドアで活躍する照明がたくさん展示されていました。
また、今年のミラノサローネのテーマは「THOUGHT FOR HUMANS」人間のための思考。「デザインが単なる機能や美しさを超え、人間の生活、感情、身体との深い関係性を探求する」ことを目的としています。
ただ単にかっこいいだけではなく、人間の感情に影響するデザインという事でしょうか?奥深いです。
KAMIYAが今年見たブランド数は?
私たちKAMIYAは、ミラノ郊外の本会場「ローフィエラ」と、市内各所の「フォーリサローネ(街中展示)」を含め、計142ブランドを視察しました。1日約24ブランドを見たことになります。毎日2万歩近く歩き、履きなれた靴と動きやすい服装で各ブランドショップを視察しました。
ここで一つ言えるのは、世界中のインテリアブランドが、まだまだそれ以上にある事と、インテリアの展示会を見るために世界中から人が集まってくるという事実です。これは本当にすごいことだと思います。そして、ここで見てきた事をお伝えできればと思っています。
プラチナメンバーのみなさまには、7月5日(土)19:00よりオンラインにて、ミラノサローネの内容を詳しくお伝えいたしますので、どうぞお楽しみに!
注目の家具ブランド FLEXFORM(フレックスフォルム)
今回のミラノデザインウィークの中で、特に注目したいブランドを1つご紹介いたします。
イタリア発のラグジュアリー家具ブランドFLEX FORM(フレックスフォルム)。
“控えめな美しさ”を大切にした、シンプルなのにどこか品のある存在感が魅力のブランドです。中でも有名なのがソファで、直線と柔らかさを絶妙に掛け合わせたフォルムや、上質なクッション性が高く評価されています。見た目に華美さはありませんが、永く暮らしに寄り添う心地よさで、まさに「一流ホテルのような上質な空間」にぴったりの家具です。
素材や仕立てにもこだわり抜いており、『本当に良いものを、静かに長く楽しみたい』という方におすすめしたいブランドです。
今年は、フォーリサローネの2箇所の会場でインテリアとアウトドアリビングを展開し、多くの来場者が訪れていました。特に、アウトドア会場では、日本の狭い土地やマンションのバルコニーでのグリーンの楽しみ方が非常に参考になると思いました。
心地よさを感じるバルコニー
注目の照明ブランド FLOS(フロス)
次に今年はユーロルーチェの年という事もあり、照明ブランドを1つご紹介いたします。
それは、1962年創業のイタリアを代表する照明デザインブランド、FLOS(フロス)。
建築家やインテリアデザイナーから高い評価を受けており、ミラノサローネでも毎年注目を集めています。
「商品」ではなく「オブジェクト」を生み出すという哲学のもと、斬新なデザインと技術力を発揮し「光」そのものの魅力を引き出すのが特徴の照明ブランドです。
日本では、渋谷・青山の直営ショールームや、有明の大塚家具、北海道のカンディハウス札幌など、FLOSの洗練された照明を実際にご覧いただけますので、ぜひ興味のある方は実物をご覧いただくとその魅力がおわかりいただけるのではと思います。
今年のFLOSは展示会場とミラノ市内でのショールームそれぞれで出展し、7つの新商品と数ある既存の商品を展示していました。
今年のインテリアトレンドは?
2025年の家具トレンドは「心地よさ」と「つながり」がキーワード
コロナ禍以降から家具への考え方が変化してきていますが、今年も、家具は“人と空間の関係”をより大切にしたデザインが目立ちました。いくつか注目したいトレンドをご紹介します。
◎ ソファは“向き合う”デザインへ
コロナ禍以降、家の中で過ごす時間や家族や友人とのコミュニケーションの価値が改めて見直されました。
その影響もあり、ソファのデザインにも変化が。以前は直線、直角に並べるタイプが主流でしたが、今年は一人掛けもしくは二人掛けのソファの置き方に角度をつけて自由に配置できるモジュラー型が多く登場していました。囲むような形やオープンな配置で、自然と会話が生まれる空間づくりを提案するブランドが増えていました。
◎ アウトドア家具がますます進化
もうひとつの大きな流れがアウトドア家具の充実。
「リビングの延長としてのアウトドア空間」をテーマに、庭やテラスでも室内と同じような心地よさを実現する家具が多く発表されています。デザイン性はもちろん、耐久性・手入れのしやすさ・柔らかな座り心地など、機能面も進化しています。
特に、お子様のいるご家庭では、デザイン性もインテリアの物と遜色ないデザインなので、リビング内のソファをアウトドア用にすると、手入れもしやすく丈夫なので検討の余地ありだと思います!
◎ 革素材の美しさが光るイタリア家具ブランド
そしてイタリア開催ならではの楽しみが、革素材を使ったインテリア。
本場ならではの柔らかさ・発色の美しさ・加工技術はやはり秀逸で、ソファやチェア、時には収納扉や収納家具のディテールにまで上質な革使いが見られました。
特にナチュラルカラーやキャメル系の革は、インテリアに温かみと品格を与えてくれる存在感があり、空間を更に極上にするために紹介したいと思えるヒントが満載でした。
2025年のインテリアカラートレンドは「くすみ」と「バーガンディ」
今年のカラートレンドは、全体としてくすみ系がベースにあり、そこに赤系の新しいアクセントカラーや深みのあるブラウンが加わることで、より洗練された空間づくりが進んでいる印象でした。
素材感の演出も進化しており、色と質感の組み合わせで“心地よく、触れたくなるインテリア”がトレンドになりそうです。
◎ くすみ色は継続。テラコッタ&グリーンは定番化
まず目立ったのは、くすみカラー(ダスティトーン)が今年も多く使われていた点。
中でもテラコッタカラーやグリーン系はすっかりインテリアの定番カラーとして定着した印象です。
グリーンは明るいグリーンというより、深みのあるグリーンやカーキ系が多く、テラコッタは素焼きの土のような温かみが感じられる色味で、ナチュラルな素材感と相性抜群でした。
◎ 赤系のアクセントカラーが新鮮
今年のトレンドとして新たに感じたのは、赤みを帯びたカラーが増えてきました。
各ショールームや展示場ブースではスモーキーピンクやバーガンディーレッドを取り入れたインテリアがところどころ目に入り、
「空間のポイントになる色」として差し色に使うブランドが目立ちました。
柔らかなピンクから深みのある赤まで、大人っぽく上品な印象を与える色使いがとても印象的でした。
◎ ブラウンのニュアンスが進化
もうひとつ大きな変化として、昨年から見られていたブラウン系カラーが、今年はより一層豊かに使われていた点が挙げられます。
まるでビターチョコレートからミルクチョコレートまでのグラデーションのように、さまざまな濃淡のブラウンが巧みに使われ、合わせやすく、インテリアに温かみと深みを加える万能カラーとして存在感を増していました。
◎ ブークレ生地で素材感もアップデート
色のトレンドと合わせて、今年はソファの生地感も注目ポイントに。
特にブークレ生地(ループ状の糸で織られたふんわりとした素材)が非常に多くのブランドで採用されていました。
手ざわりが柔らかく、見た目にもやさしい質感を空間にプラスしてくれるため、色と素材の組み合わせの妙が光る展示が多く見受けられました。
最後に
いかがでしたでしょうか?
今年のミラノサローネでは、空間全体で心地よさやコミュニケーションのしやすさの提案がますます進化していると感じました。
KAMIYAでも、室内ドアを単なる道具ではなく、空間の一部としてトータルに提案するという視点を大切にしています。
今回見てきた事は、これからのドアづくりや空間全体の美しさを引き立てる提案に活かしていきたいと思います。
最後までご覧いただきありがとうございました。
↓この記事を書いたのは
フルハイトドア🄬
横浜ショールーム店長
浅井摂子