ここまでやる!?KAMIYAの品質への取り組み【前編】

1.なぜフルハイトドア®は品質が高いのか

①品質にこだわる理由

天井まで届く高さで室内空間を広々と演出する「フルハイトドア®」。
スッキリと壁面に馴染むデザインを評価していただくことが多いのですが、実はKAMIYAでは意匠だけでなく“品質”をとても重視しています。長い年月にわたって毎日何度も繰り返し開閉される室内ドアには、10年、20年、更にその先まで見据えた高い品質が不可欠です。そのため、「日本一品質の良いドアメーカー」を目指し自社工場にある試験設備で日々試験研究を重ねています。

②木製ドアの最大の弱点「反り」

あまり知られていませんが、木製ドアは対策をしなければ必ずと言っていいほど反ってしまいます。
これは、木材の持つ性質に起因して起きるため抑制が非常に困難です。また、ドアが大きいほど反りやすいので特にハイドアは反りのりスクが高くなるのです。
実際にドアが反ってしまうと、様々な支障が出てきます。例えば開閉の際にドアが重くなったり、壁や枠にドアが当たって傷がついたり、最悪の場合は開閉そのものが出来なくなってしまうケースも。反りはドア業界では誰もが知っている室内ドアの大きな弱点なんです。

③ドアはなぜ反るのか

木材には、空気中の水分を吸収したり放出したりすることで伸縮する性質があります。室内ドアの表面に使われている木材ももちろん同じです。冬の寒い日、暖房の効いた部屋と寒い廊下では湿度も違いますよね。お部屋側のドア表面は暖められて乾燥して縮み、廊下側の冷たい表面は水分量が多くなり伸びる。この差がドアを歪ませてしまうのです。
特にフルハイトドア®のように背が高いドアや、幅広いドアはこの影響を強く受けてしまうのでさらに反りやすいのです。

２．最強のドアを目指して

KAMIYAは、室内ドアの品質を高めるために業界最高水準の自社の試験設備を使って研究を重ね、反りに強いドア「フルハイトドア®」を開発しました。

①フルハイトドア®の内部構造

まず、フルハイトドア®の内部構造についてご説明します。こちらの画像をご覧ください。

上の画像に写っている部品は2つともドアの中の芯材で、合板でできています。
右側の太いものがKAMIYAのフルハイトドア®の芯材、左側の細いものが一般的なドアの芯材です。
まるでアスリートと一般人の骨格の違いのようですね(笑)
芯材の太さの違いによってドアの剛性はかなり変わってきます。しかし、先ほどもお伝えしたように木の反りは非常に強く、木材の工夫だけで抑えることは不可能だという結論に至りました。
そして次にドア内部に追加したのが下の画像の「スチールパイプ」です。

このスチールパイプをフルハイトドア®の内部に組み込むことで、ドアの剛性は一気にアップ。
一般的な高さ2mのドアでは、この鋼鉄の補強により反りを抑制することができました。
しかし、天井まで届く大型のフルハイトドア®では、反りを完全に抑えることはできませんでした。
木が反ろうとする力は、私たちが想像していた以上に強力だったのです。

②特許技術「エアスチール製法®」

そこで更に研究を重ね、二つの技術を合わせて生み出したのが、特許技術「エアスチール製法®」でした。まずは「空気循環方式」で、反りを引き起こすドア内部の熱い空気を外に逃がします。さらに先ほど説明した「スチールパイプ」の剛性が働くことで、反りを抑え込むというKAMIYA独自の開発技術です。

③強度を高めた「40㎜のドア厚」

さらに、2019年より標準ドア厚を40ｍｍ以上に設定したことで、フルハイトドア®の強度は一般的な室内ドア（33ｍｍ厚）と比較して強度が1.5倍にアップ。この厚みが生みだす強さが反りの抑制効果を更にアップさせました。

ここまで、フルハイトドア®がなぜ反りに強いのか、その理由をお伝えしてきました。
KAMIYAは、社内に業界最高水準の試験設備を完備し、10年、20年先を想定した、一般的な基準よりも更に厳しい独自の品質基準を設定して、日夜過酷な性能試験を繰り返しています。これらの試験の結果が、フルハイトドア®がどれだけ反りに強いドアなのかを証明しています。後編ではその過酷な試験の数々をお伝えしていきますので、お楽しみに^^